エピソード9:2020年コロナウイルスとその先

人口:1億2600万人(2020年時点)

日本の地方を救う最も明るい希望の光は、政府でも民間でもなく、2020年に世界を席巻したパンデミックであるかもしれない。パンデミックは多くの人々に巨大都市に住むことの脆弱性とデメリットを実感させた。東京にある140万戸を超えるアパートは延べ床面積が19.7平方メートル以下である。以前は仕事・都市生活を楽しむ独身者やカップルにとっては何ら問題はなかっただろう。だが、「ステイホーム」はそうした狭い空間に住む者、あるいは家族と広いマンションに住む者にとっても、外へ出かけて安全なのか不安であり、まさに唐突で憂鬱な状況であった。

しかし、こうした状況下でさえも、日本では大きな人口移動は生じなかった。パンデミックの影響で人口の少ない地域に移り住む人もいたが、これは現象というより一過性の流行であった。

では、日本の地方を救うためにはどうすれば良いのだろうか。多くの人や統計学者がこの取り組みは無駄だと断じるなか、私はまだ希望を捨てていない

パルテノンジャパンは一企業に過ぎないが、コミュニケーションの力で、ビジネス・政府・市民社会をつなげたいという情熱で結束している。私たちの仕事へのこだわりは、事業運営にとどまらない。目的志向の企業として、私たちは自社プラットホームを利用し重要な議論を活性化するために全力を尽くしている。

この文章は、公共の問題に対して何か有意義なものを提供し変化をもたらすために取り組む私たちの活動の原点となるものである。もうお分かりだろうが、私たちにとって取り組みの最たるものは地方の活性化だ。

日本の地方を救うためには何が必要なのだろうか?

世界第3位の経済大国がまだ答えを出していない以上、それが決して簡単な問いではないことは確かだが、私たちにはいくつかの考えがある。日本が直面する重要な課題の解決に向けた最初の試みが、日本の地方活性化に関する6部構成のシリーズだ。本シリーズにおいて私たち独自の洞察と考えを提供する。

今後3ヶ月にわたり、隔週で新しいコンテンツを発表し、地方の過疎化の危機とその解決のためにすべきことを様々な面から探っていく。

先述の通り、記事やポッドキャスト、イベントなどを通じ本テーマに関して様々な側面を取り上げ、現状と将来への展望を考察するのでお見逃しなく。