日本の観光業の可能性を紐解く

日本のインバウンド観光産業の未来: パルテノンジャパンのシニアアドバイザーとCEOの見解

パルテノンジャパンのシニアアドバイザーのベンジャミン・ボアスと代表取締役社長のアレン・パーカーが週刊『HOTERES』のインタビュー記事で、日本のインバウンド観光産業の今後の可能性について語った。2023年6月9日に発売された創刊2,500号記念のインタビューでは、コミュニケーション戦略、富裕層観光客の誘致、外国人の視点の取り込み、地方観光の振興、統合型リゾートの可能性などについて掘り下げている。

コミュニケーション戦略:「マイ・ジャパン」から「ユア・ジャパン」へ

内閣府公認クールジャパン・プロデューサーのベンジャミン・ボアズは、世界の観光産業における効果的なコミュニケーションの重要性を強調した。

トップ・デスティネーションとしての日本の位置づけを説明し、外国人旅行者とのコミュニケーションにおけるこれまでの課題を克服するための見解を提供した。ベンジャミンは「マイ・ジャパン」と「ユア・ジャパン」という概念を紹介し、インバウンド旅行者の視点を理解し、コミュニケーションに取り入れる必要性を示した。

さらに、顧客中心のアプローチを採用し外国人の視点を取り入れることで、日本はビジネスチャンスの創出や外国人顧客の好みに沿った体験の提供を行うことができ、観光産業を成長させることができると語った。

大都市を越えて: 地方への観光客誘致と統合型リゾートの役割

ベンジャミンとパーカーは、日本の大都市以外への観光客誘致戦略についても言及した。

ベンジャミンは、ワインの産地として知られる山梨県のような地方の可能性を指摘し、観光客の効果的なターゲティングを行い、隠れた観光地を宣伝するための適切なコミュニケーションチャネルを活用することの重要性を強調した。

また、日本の宿泊施設が外国人観光客を受け入れるための準備を進める必要性についても言及した。また外国人観光客にとってより身近な体験を提供するための統合型リゾートの今後の役割についても意見を交わした。パーカーは特に、現在他の国にギャンブル体験を求めている観光客の集客に寄与するゲーミング施設を含む統合型リゾートのユニークな側面と利点を強調した。

二人はインタビューの最後に、日本の観光産業の将来について楽観的な見方を示すとともに世界的な観光地としての日本の潜在的な可能性を引き出すコミュニケーションの重要性を強調した。ベンジャミンとパーカーは、潜在的な成長を阻害している長年の慣習障壁があるとはいえ、日本の観光業界とインバウンド観光客の間の効果的なコミュニケーションと相互理解を行うことで、日本の観光産業の明るい未来を思い描くことができると語った。